MITSUBISHI ML-TS2H

MSX2をベースにモデムと受話器を搭載した変わり種機種。
残念ながら実機は既に手元に無く、写真も残っていないので
例外的に入手の経緯と実際に使ってみた感想のみご紹介します。
仕様
発売年1987年
RAM64KB
VRAM128KB
FDD非搭載
拡張スロット1(付属のアダプタで2基に増設可能)
漢字ROM搭載(JIS第一水準/第二水準)
MSX-JE非搭載
MSX-MUSIC非搭載
その他全二重1200bpsモデム搭載
受話器付属

そもそもはTHE LINKSの思い出から始まる

父親の勧めで始めたMSX専用パソコン通信であるTHE LINKSは衝撃的と言うか、中毒的な楽しさでした。
リンクスモデムを当時の愛機FS-A1FXに装着するだけで全国の見知らぬ様々な年齢、職業の人たちと
掲示板やチャットでの交流や、メールでの文通が出来る!これはとても楽しいものでした。

パソコン通信をやってみたい

しかしリンクスは県外アクセスポイントまでの電話代とサービスの利用料がかさみ、両親が何も言ってこないとはいえ
さすがに毎月多大なお金を使ってしまった事を自己反省していたところ、たまに購読していたマイコンBASICマガジンで
パソコン通信の特集が組まれていました。

その中で草の根BBSなる個人が運営している無料のホストが存在する事を知り、
別冊として発行されているパソコン通信 BBS電話帳なる本を購入しました。
私の在住する市にもいくつかホストが存在していたので、あとはモデムを入手すれば接続できます。

が、LINKSモデムは利用できず別にモデムが必要

実のところTHE LINKSに接続する際使用していたモデムは同社から無償提供されたものではありますが
LINKSへの接続以外には使えません。(確か1200bpsの半二重だったと思います)

そこで草の根BBSに接続するために全二重対応のモデムを入手する必要がありましたが、普通に考えれば
FS-CM1やHBI-1200等のモデムカートリッジを購入して手持ちのFS-A1FXに接続するのが手っ取り早かったのですが、
モデムカートリッジはまだまだ高価な物でした。(3万位したと思います)
そこで思いついたのはTHE LINKSの個人売買掲示板で見かけたモデム内蔵のMSX2を購入する事でした。


(残念ながらいくら探しても写真が見つからなかったので、カタログを載せておきます)

そして、購入した「モデム内蔵のMSX2」がコレ、三菱ML-TS2H。
確か1万円位だったと思います。
兄弟機に受話器が付属しないML-TS2というモデルもありました。

当初は掲示板やチャットが利用出来ればそれで良いと思っていたので、モデムカートリッジを買うより
安く済んだ!と思っていたのですが、使い込むうちにフリーウェアをダウンロードするようになり、
保存がデーターレコーダ―というのは実際やってみるとかなりしんどかったので、結局外付けFDDを
購入する羽目になるという浅知恵におわったのでした。

FDDを入手してデータ保存が楽になるとファイルをダウンロードする機会が増えていきます。
そうすると今度は1200bpsという通信速度に限界を感じ、RS-232Cインターフェースと
2400bps/MNPクラス5モデムを購入し、FS-A1FXを通信端末として使うようになり、このML-TS2Hは
それらの費用捻出のために売却してしまったのでした。
(何がしたいんだ当時の自分)

この機種について覚えている事を書きとめておきます。

1.内蔵ターミナルソフトは遅い

ターミナルソフトを内蔵しているので単体でパソコン通信が楽しめましたが、
パソコン通信上で知り合った友人の勧めでフリーのターミナルソフト(mabTermかRAETermのどちらかだったと思います)を
使ってみたところ、画面がサクサク、それまでの通信が300bpsだったのではないかと疑いたくなる程動作が速くなりました。
MSXのような非力な機種だと同じことをやるのにもソフトによってここまで体感速度が変わるのかと関心したものです。
あとは、内蔵のターミナルソフトは対応しているファイル転送プロトコルがXMODEMのみだった気がします。


2.拡張スロットは1基のみ

拡張スロットは本体の背面に1基ついているのみでした。
但し2基に増設するアダプタが付属しており、コンパクトな本体がやや不恰好になるものの追加費用無で2基に増設できました。


3.MSX-MUSICは鳴るのだが、やたら音が小さかった

FMPACを取り付けてFM音源を鳴らしても、音が小さかったのを覚えています。
本体直差しでも拡張スロット経由でも症状は変わらず・・・
FMPAC側の音量スイッチを「大」にしていてもあまり変わりませんでした。
PSGやSCCは問題の無い音量なのに、不思議に思っていました。
まあ、私の所有していた個体だけの問題だったのかもしれませんが。


4.着信音は本体から

電話の着信音は受話器ではなく、本体が鳴ります。
受話器が付属しないML-TS2の場合は着信音は鳴るが、電話機までダッシュということになります。

入手ガイド

三菱のMSX2である時点でマイナー機であることが約束されているようなものなのに、
その上通信機能が必要無い人にとって購入対象にならない機種だった事でしょう。
この機種が現役だった頃は格安MSX2であるFS-A1やHB-F1系の機種が市場にいたこともあり
あまり売れなかったのではないでしょうか。
(定価は両機種の倍以上の75000円)
よって、オークションやハードオフでも滅多に見かけることは無く、入手は困難と思います。

電源は内蔵しておらずACアダプタを使用するので、ちゃんと付属しているか要確認です。
また、拡張スロットを2基に増設するためのアダプタも本体と生き別れになっていないかも
購入時の確認ポイントだと思います。
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