Panasonic FS-A1ST


MSXターボR規格の1号機。
CPUにR800を搭載し16ビット化した他、MSX-MUSICとMSX-JE、MSX-DOS2が規格上の標準搭載となりました。
(実際のところMSX-MUSICとMSX-JEは大半のMSX2+機が搭載していました)
但しVDPはV9958のままMSX2+から変化なし。

本機発売の翌年にはメモリを512KBに増設し、MIDI端子を装備した強化版のFS-A1GTが登場したものの
もはやMSXの衰退は否めず、その歴史に幕を閉じます。
発売年1990年
RAM256KB
VRAM128KB
FDD搭載(2DD/1基)
拡張スロット2
漢字ROM搭載(JIS第一水準/第二水準)
MSX-JE搭載
MSX-MUSIC搭載
その他R800とZ80の2CPU構成(但し排他使用)
ワープロソフト内蔵
PCM音源搭載

16ビット化された高速MSX

他社の8ビットパソコンは、1980年代の末期には後にシリーズ最終機として認知されることになる
機種がラインナップされていました。
もう時代は16ビットがスタンダード、32ビットがハイエンドになっていたのです。
そんな中、1990年に最後のMSX規格となるターボRが発表。
MSX史上初のCPUアップグレードが行われ、16ビットCPUのR800を搭載しました。
だがしかし、参入メーカーはついにパナソニック1社となってしまったのでした。

R800による高速化は対応ゲームをMSX2+と比較動作させると一目瞭然でした。
フリートコマンダー2は一度ターボRで遊んでしまうと、MSX2+で遊ぶのは少々しんどく感じたほどです。

更に当時私はMSX2+をパソコン通信端末として利用しており、ソニー製のRS232Cカートリッジを使用して
2400BPS/MNPクラス5のモデムを接続していましたが、掲示板の未読を一気読みすると、処理が追い付かず
テキスト表示の配列が一部崩れてしまうという怪現象に悩まされていました。
(アスキー製のDMA対応版であればこの症状は出ないが遅い事は変わらず)
これはSCREEN7のインターレス表示が重荷だった事と予想しています。
同じソニー製のRS232CカートリッジをこのターボRに接続して試したところ、全く表示が崩れないどころか
文字がサクサクと表示されていく姿を見て、さすが、新型!と興奮した記憶があります。


筐体や拡張スロット配置はMSX2+のFS-A1WXやFXと共通です。
連射速度調整用のレバーや内蔵ソフト入切スイッチも共通。


MSX-DOS2や高速モード対応ソフト(内蔵ワープロ他、FRAYやフリートコマンダー2等)を起動したときは
R800が動作し、「高速モード」のランプが点灯します。
それ以外の旧ソフト起動時はZ80が起動し、高速モードは消灯。
尚、本体には録音用のマイクを内蔵しています。


キーボードのタッチは「グニグニ」だったFS-A1FXと比べると良好で「カタカタ」といった感じ。


右側側面にジョイスティック端子を配置しています。
FDDは1基搭載。
この個体はFDDのベルトが溶けて動作不良を起こしていましたが、新品に交換し復旧しました。
ついでなのでコンデンサも交換済み。


背面側にはS映像出力、RGB出力、ビデオ出力、プリンタ、外部マイク入力端子と拡張スロットが配置されています。


電源スイッチは左側側面。


バックアップメモリ用の乾電池は単3×2本。

入手ガイド


残存数は多めで、入手は難しくないと思います。(やや高値になる傾向がありますが、FS-A1GTほどではありません)
大半の個体でFDDのベルトが劣化して切断あるいは溶けてしまっていると思われます。
私は友人所有を含めて3台のA1ST実機を見ましたが、いずれもベルト交換のみで復旧しました。
※2013年時点ではパナソニックより取り寄せ可能でした。


余談になりますが前述の3台のA1ST、全てメモリ512KB化してあります。
4MB増設RAMカードを装着すると、何と合計4.5MBの大容量メモリ(笑)
主にDOS2でRAMディスクとして活用しています。


パナソニックは本体の供給だけではなく、広告を出す事でMSX専門誌を含めて
MSXを最期まで支えてくれていました。
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